サッカー五輪、「耐えて勝つチーム」が5失点すれば惨敗も当然 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ところが、日本は開始わずか10分で2失点。しかもそのつど、失点直後すぐに追いついたことで、「簡単に点を取られるけど、簡単に取れるので、(今やるべきは)攻撃なのか、守備なのか、シーソー状態になってしまった」(手倉森監督)。

 いっそ日本にとっては、0-2にでもなっていたほうが、「まずは守備を落ち着かせよう」という意識でまとまれてよかったかもしれない。互いにゴールを奪い合った結果、試合はいつまでも行ったり来たりの展開が続いた。

 要するに、いつものこのチームらしい「耐えて勝つ」ような、落ち着いた試合展開に持ち込めないまま、終わってみたら、たまたま1点差だった。そんな試合になったのだ。

 このチームらしからぬ試合だったことは、指揮官も認めている。

 手倉森監督は「前半の終わらせ方」を課題に挙げ、「本来であれば2-2で(ハーフタイムに)帰ってこないといけないし、(今までは)帰ってくるチームだった」と語っていた。五輪の緊張感から立ち上がりは浮足立ったとしても、2-2に追いついたところで落ち着きを取り戻さなければいけなかった。

 だが、遠藤も「2-2で前半を終わっていれば、後半は落ち着いて試合を進められたかなと思う」と振り返ったように、前半のうちに3点目を献上すると、後半にも2ゴールを許して決定的な3点差。結果論ではあるが、その後、2点を返していることを考えれば、もったいない"自滅"だった。

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