ナイジェリアの穴は「最終ライン」。五輪サッカー初戦は分析完了 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 もうひとつは、メンタル面の不安定さだ。「乗らせてしまうと手がつけられないけど、相手のやりたいことにストップをかけられれば、少しずつ焦れてくるというイメージはある」と指揮官が明かせば、インサイドハーフとして出場が濃厚の原川力も、「あまり組織的じゃないと思うし、90分間通して隙がある時間は必ずあると思うので、そこを突きたい」と自信をのぞかせる。

 8月2日のトレーニングでは、ナイジェリア戦に向けた攻撃のビルドアップで4-3-3のフォーメーションを導入した。遠藤をアンカーに置き、センターバックからの攻撃の組み立てを入念に確認。左右のウイングや両インサイドハーフが相手の間のスペースに潜りこんでボールを引き出し、素早く裏を突く攻撃が見られた。

 7月26日にスイスのヤングボーイズが公式ホームページにて派遣拒否を発表したことで生じた「久保裕也の招集問題」も、この日、久保の招集を断念してバックアップメンバーの鈴木武蔵を本大会のメンバーに登録し、オナイウ阿道をバックアップメンバーに加えることで決着した。

 こうしたアクシデントも想定内だったことを明かした手倉森監督は、ナイジェリアがいまだに現地入りしていないことこそ、「一番の想定外だった」と笑いを誘ったが、油断は禁物だと改めて気を引き締める。

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