ナイジェリアの穴は「最終ライン」。五輪サッカー初戦は分析完了 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 もっとも重要になる大会初戦の相手ということもあり、チームを率いる手倉森誠監督もナイジェリアを警戒しているのは確かだろう。5月にはガーナ、6月には南アフリカと、いずれも親善試合の相手にアフリカ勢を選んでいる。

 だが、「仮想ナイジェリア」はそれだけではない。

 指揮官が、「ナイジェリアはブラジルと似ているところがある」と言えば、キャプテンの遠藤航も、「僕もグループステージのなかでナイジェリアが一番、ブラジルに近いと思っている」と話す。たしかにフィジカルコンタクト、テクニック、スピードなど、両チームの共通点は少なくない。「前のほうに個の能力の高い選手がいて、スピードのあるドリブルで剥がしてくる。その辺の対応をブラジル戦でやれたのは、自分たちにとってプラス」(遠藤)。ホスト国との一戦は、優勝候補の胸を借りた準備試合だけでなく、大事な初戦に向けたシミュレーションでもあったのだ。

「攻撃のスピードはブラジルと似たものがある。でも、後ろのもろさがある分、こちらが(ボールを)獲ったあとのひとつ目のパスから精度を高め、得点を狙いたい」

 すでに分析を進めている指揮官は、ナイジェリア攻略のイメージとして、決して盤石ではない最終ラインを狙い目のひとつに挙げた。

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