サッカー五輪代表、腕試しのブラジル戦は「叩きのめされろ」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 時事通信社●写真 photo by Jiji photo

 手倉森誠監督がそう語ったように、アジアを制すに至った「堅守速攻」のスタイル、「柔軟性と割り切り」のコンセプトは、世界との戦いを前にしても大きく変わることはない。

 アジア予選ですら守勢に回る時間帯が多かったわけだから、世界と戦えば、それ以上に押し込まれることが予想される。そうした展開になっても粘り強くしのぎ、スピーディな攻撃で隙を突き、仕留める――。それが、指揮官の思い描く青写真だ。

 その際、攻撃面でカギを握るのが、オーバーエイジのFW興梠慎三だ。

 1トップ、あるいは2トップの一角に興梠が入り、彼のワンタッチプレーやポストプレーを生かして、MF中島翔哉、FW浅野拓磨、MF南野拓実、MF矢島慎也といった2列目のアタッカーたちのスピードやテクニック、フィニッシュまで持ち込む力を引き出していく。

 また、興梠がサイドに流れたり、中盤に降りてきたりすることによってディフェンスラインに生じたギャップを突くトレーニングを連日のように行なっている。

 7月27日に行なわれたブラジル4部リーグ・セルジッペとの練習試合では、興梠の足もとへのパス一辺倒になりすぎてしまい、そこでのミスも多く、カウンターを許してしまった。だが、手倉森監督はこの時期だからこそミスは問題ない、という姿勢を強調した。

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