「マイアミの奇跡」から20年。あの夏の「熱気」は、今はもうない (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 20年前、チームのキャプテンだった前園真聖が、アトランタ五輪後のセビージャ移籍をウワサされながら、結局実現しなかったのとは隔世の感がある。日本サッカーを取り巻く環境は、それほど大きく変化した。

 だが、その一方で、右肩上がりの成長を牽引してきたU-20代表が世界大会へ出場できなくなって、早9年が経つ。リオ五輪にしても、どうにか出場権は獲得したが、その歩みは心もとないものだった。

 古今東西を問わず、育成年代の成果は間違いなく、よくも悪くも未来のA代表に表れる。日本サッカーの周囲には、すでにどんよりとした停滞の空気が色濃くただよい始めていると言っていい。

 あの夏、奇跡を後押しした熱気を、現在はもう感じることができない――。

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