ひどすぎたトゥーロン。リオ五輪へ向けU-23代表に残された大きな宿題 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by MEXSPORT/AFLO

 実際、選手からは試合後も、「決めるところを決めていれば勝てていた」といったコメントが数多く聞かれ、「世界との差を突きつけられた」といった雰囲気は感じられなかった。その結果、同じような試合がずっと繰り返され、3敗を喫したと言ってもいい。

 ここでの経験を生かすも殺すも、監督、そして選手たち次第である。

 今年1月、カタール・ドーハで激闘が繰り広げられていた当時、彼らには鬼気迫る迫力があった。絶対に負けられないとボールに食らいつく執念があった。

 だからこそ、戦前の低評価を覆し、彼らはアジアの頂点に立てた。

 このまま意識が変わらずリオ五輪に臨むようなら、待ち受けているのは2年前のワールドカップに続く、ブラジルでの惨劇である。

 南仏に吹く、心地よいさわやかな風とは似ても似つかない、つらく厳しい洗礼を受けたU-23日本代表。トゥーロンでの経験が、およそ半年前の“熱”を思い出させてくれるきっかけになることを望みたい。

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