ひどすぎたトゥーロン。リオ五輪へ向けU-23代表に残された大きな宿題 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by MEXSPORT/AFLO

 このレベルの相手になれば、苦戦するのは当然。しかも、本来なら主力となるべき、遠藤航や久保裕也を欠き、大会初戦でいきなり岩波拓也、亀川諒史をケガで失った。そんな状況下で試合をしているのだから、結果はもちろん、内容についてもあれこれ言っても仕方がないのかもしれない。

 幸いなことに、これはまだリオ五輪本番ではない。

「個人個人が世界で戦う覚悟はあるか。それは負けたから芽生えるものだなと思う。たぶん勝っていたら、これでいいんだと思うヤツも半分くらいいたかもしれない。だから、負けさせてもらったのだろう」

 手倉森監督もそう語り、今大会での負けが今後の成長のきっかけになることに期待する。

 実際、過去の五輪ではこの大会をきっかけにチームには大きな変化が起きた。

 4年前のロンドン五輪では、ボールポゼッションを高めて攻撃を組み立てるスタイルから、ハイプレスを軸とした堅守速攻に戦術が切り替わった。

 また、8年前の北京五輪では、登録メンバーが前年のアジア最終予選から大きく入れ替わることになった。

 北京五輪当時、U-23日本代表を率いた反町康治監督は、苦しい最終予選を戦い抜いたメンバーを「計算できる選手」と呼び、信頼を寄せていたが、結果的に彼らの多くを外し、「世界と戦えるかどうか」を基準に選手を入れ替えた。当時、反町監督は「トゥーロンがなければ、こんなにメンバーは変わらなかった」と語っていた。

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