高倉なでしこジャパン。アメリカ戦に向けて期待の新戦力はこの2人! (5ページ目)

  • 松原渓●取材・文・写真 text&photo by Matsubara Kei

 初戦が行なわれるコロラド州デンバーは標高1600 mの高地で、時差はマイナス15時間。マラソン選手が高地トレーニングの地として訪れる場所でもあるため、まずは高地に体を順化させなければならない。だが、国内では遠征直前の5月29日までリーグ戦があるため事前合宿が行なえず、集合から本番までは2日しかない。その2日を順化に当てるとなると、初戦はほぼ「ぶっつけ本番」となる。

 一方、対戦相手のアメリカは、2カ月後のリオ五輪に向けたチームの仕上げの段階に差し掛かっている。リオでは3大会連続の金メダルがかかっており、親善試合とはいえ全力で日本を迎え撃つだろう。2日のチケットは、約18000枚分がわずか10分間で完売したという。日本にとって完全アウェーになることは間違いない。

「マイナスの要素も多いですが、サッカーというのはどの大会も思いがけない要素が出てくるので、私を含めてスタッフの対応や、選手個人個人の対応を発揮するにはいい機会だと思います。結果を恐れず思い切ってぶつかっていきたいと思います」(高倉監督)

 新生なでしこジャパンの船出は、試練が満載の旅になりそうだ。だが、2014年のU-17W杯や昨年のU-19アジア選手権などでも、すべての選手にチャンスを与えながら、最高の結果(優勝)を勝ち取ってきた指揮官である。アメリカの出方を見ながらどんな対応策を練っていくのか、注目したい。

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