W杯最終予選B組。日本が「恵まれてない」という、これだけの事実 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 また、ポット6も同様だ。2次予選で日本がホーム(5-0)とアウェー(3-0)でともに楽勝したシリアに対し、タイはイラクを出し抜いて2次予選を首位通過している。シリアが自国で試合を行なえない一方で、タイは高温多湿のホームでこそ力を発揮することを含めて考えれば、ここもまた両者の力の差は大きい。

 つまり、これらの“当たりとハズレの差が大きい”ポットからは、ことごとくハズレ(強いほう)が日本のグループに入ってきたということになる。

 しかも、日本にとって厄介なのは、その嫌な相手といきなり対戦しなければならないということである。

 9月1日に幕を開ける最終予選。日本は大事な初戦をホームで迎えるとあって、勝利して好スタートを切りたいところだが、その初戦で対戦するのが、UAEなのだ。

W杯アジア最終予選、日本はいきなり昨年のアジアカップで敗れたUAEと対戦するW杯アジア最終予選、日本はいきなり昨年のアジアカップで敗れたUAEと対戦する UAEは2008年アジアユース選手権で優勝し、2009年U-20W杯でベスト8に進出。その後も2012年ロンドン五輪にも出場(グループリーグ敗退)するなど、若手が台頭してきており、その成長力は侮れないものがある。実際、2015年アジアカップでは、日本は準々決勝でUAEに(1-1からのPK戦とはいえ)敗れている。

 若手を中心に技術レベルは高く、組織的にも洗練されており、しっかりと攻撃を組み立てて主導権を握る戦い方ができる一方で、割り切って守備を固めることもできる。それだけに、絶対に勝ち点3がほしい初戦で対戦するには実に厄介な相手だ。

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