【サッカーU-23】ファン・ウェルメス
ケルケン・際が語る「異色の経歴」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

「僕のポリバレント性を見出してくれたファン・デン・ハム監督に感謝。ヴァンフォーレ甲府、(かつて所属していた)八ヶ岳グランデの関係者にも感謝。何より、僕をこころよくオランダへ送り出してくれた、両親に感謝です」

 ここで、際の話を初めて聞いたときからずっと思っていたことを、ぶつけてみた。

「本当に失礼な質問をするのを許してほしいんだけど、もしかしたら際選手は、オランダに行くためにマークシートを故意に失敗したんじゃないの? やっぱり君がマークシートを失敗するとは思えないんだけど......」

 際は豪快に笑ってから、「このことはふたつストーリーが考えられます」と応える。「詐欺に会うのは、『絶対、自分は詐欺に遭わないと思い込んでいる人』って言うじゃないですか。マークシートの失敗も、それと同じかもしれません。もうひとつ、(オランダに行きたいから)無意識にマークシートでミスをやらかした可能性は......ありえます」と言い、ふたたび笑い転げた。

「僕は1日中、サッカーのことばかり考えていると、煮詰まってしまうタイプ。だから、大学の勉強は気分転換になる。文武両道の姿勢は崩したくない」と語る、模範生のようなプロフットボーラー。今後もファン・ウェルメスケルケン・際のチャレンジに期待したい。

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