【サッカーU-23】ファン・ウェルメスケルケン・際が語る「異色の経歴」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

 やがて、進路の問題が浮上する。際の希望は、12歳のときの思い出が強烈なオランダへ渡って、プロサッカー選手になることだった。しかし親からは、「何を言ってるの!」という強烈な反対を受けてしまい、際はスポーツの世界では国内最高レベルにある国立大学進学を決意する。

 だが、センター試験で英語のテストを受けているとき、自分がマークシートの記入ミスを犯していることに気がついた。「『大学に行くならトップの学校にしか行かない』と親にも宣言していた」という際は、滑り止めも受けず、浪人をする気もなかった。結局、センター試験に失敗したことで、「それならオランダへ行って、頑張ってきなさい」と、親もこころよく送り出してくれたという。

 だから今、際は親と、「人生は不思議だね」と話している。際は12歳のころ、ナショナルトレセンに参加したことはあったが、年代別・日本代表に選ばれることはなかった。山梨県内では「有望なタレント」として知られていたが、全国的には無名の選手だった。しかし、センター試験に失敗したことによって、オランダでプロサッカー選手になるチャンスを掴み、しっかりそれを活かしてU-23日本代表メンバーに選ばれたのだ。

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