【なでしこ】期待の東京五輪世代。U-23の有望株は超攻撃型 (3ページ目)

  • 松原渓●取材・文・写真 text&photo by Matsubara Kei

 増矢自身、「合宿で、高倉監督が『世界をリードする攻撃的なサッカーをしよう』とよく話すんです。日本は守備から入るイメージがありますが、いつか自分がその攻撃的なサッカーをする日本の中心にいられるようにしたい」と未来を見据える。

 守備時の不在を補ってあまりある攻撃の独創性は、“強烈な個性こそ強み”と考える指揮官の求めるものかもしれない。その一途なまでの攻撃にかける思いが、なでしこジャパンの強力な武器になる日が来るかもしれない。

 一方、千葉は果敢にゴール前に飛び出し、様々な角度から味方のラストパスを引き出した。一回り大きいDFとも互角に渡り合い、クロスボールには頭から飛び込んだ。潰れ役となって味方のゴールをアシストもした。

 昨年はリーグ(2部)で13ゴールを挙げ、そのうちの半数以上をヘディングで決めている。だが、これまで年代別代表には一度も選ばれたことがない。高倉監督によって発掘された選手と言えるだろう。

「運動能力が高くてテクニックもある。そして、すごく素直。経験を積んでいけば良い選手になっていくんじゃないかと思います」とは高倉監督。

 豊富な運動量でピッチを駆け回り、守備でも味方のサポートを惜しまない。大阪出身の朗らかな関西ノリと屈託のない笑顔は、初参加とは思えないほど、チームの雰囲気にすんなり馴染んでいた。

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