【なでしこ】期待の東京五輪世代。U-23の有望株は超攻撃型 (2ページ目)

  • 松原渓●取材・文・写真 text&photo by Matsubara Kei

 そのドイツ戦で2トップを組んだのが、増矢理花(INAC神戸/20歳)と千葉園子(ASハリマ・2部/22歳)だ。

 あちこちに顔を出してゲームを組み立てながら、前線にも果敢に飛び出していく。背番号「10」を背負い、増矢は攻撃センスを存分に発揮した。視察に来た他国の関係者の間では、増矢のテクニックの高さに注目が集まった。

「うまくいっていると感じるのは、感覚でやれている時。それが成功している時です。計算したり、考えすぎると自分のプレーが発揮できなくてミスも増えてしまうんです」

 それは偽らざる本音だろう。複数のDFに囲まれながら鮮やかな切り返しで華麗に抜き、難しい体勢から絶妙のアシストを成功させるなど、技術の高さと攻撃センスには目を見張る。一方で、そのセンスが攻撃面に偏り、守備では本来いるべきゾーンを空けてしまうこともある。ポジションごとの役割が明確なゾーンディフェンスにおいては、克服しなければならない課題だろう。しかし、本人が感じている"課題"は、とことん攻撃面にフォーカスされているのだ。

「課題は『精度』です。相手によっては立ち位置でプレッシャーをかけてくる人もいて、勝手にプレッシャーを感じて(パスを)受けられなかったり出せなかったりするんです。海外の速くて強い選手がそれをやってきた時に、どうしたらいいのか......今後はそのプレッシャーの中でも正確にプレーできるようにしたいです」

 各年代の代表で活躍し、2014年のアジア競技大会ではA代表にも初招集された。代表キャップ数は10に上り、3ゴールを決めている。

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