2016.03.12

【検証】消えたリオ五輪。なでしこ立て直しに私たちができること

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by HayakusaNoriko

 協会側の問題もある。長期政権を選択した時点で戦術のマンネリ化などリスクは把握していたはずだ。であれば、佐々木監督に対してこれまでとは異なるサポートを準備していなければならなかった。

 以前と異なり、主力が海外でプレーする時代だ。日本とのシーズンのズレもある。その中でいかにして強化していくのか。取り組むべきことは多かったはずだ。カナダワールドカップ後の会見で宮間は、実戦での強化の増加を求めていた。それが選手から発せられること自体を恥と思わなければならない。それでも対外試合が増えることはなかった。この予選までにフルメンバーの招集で行なわれた国際試合はオランダとの1試合のみ。簡単でないことは誰しもが理解している。それでも、ロンドンオリンピックから3年もの時間があったのだ。

 抜本的な対策を打ちださなければならなかった。手詰まり感のあったカナダワールドカップで問題点に気づかなかったとは思えない。それでも手を打たなかったのであれば、慢心以外に表現が見つからない。どこかでなでしこジャパンはオリンピックに出場して当然という過信がここにも存在していたのではないか。

 予選の舞台となったキンチョウスタジアムは観客がピッチに近く、女子サッカー向けであった。しかし、このアットホームなスタジアムが満員になることはなかった。崖っぷちの中国戦ですら入場者数は7000人を切った。本気でバックアップ体制が整っていたのか、疑問が残る。さらには、出場権が絶望的となった中国戦後に大仁邦彌会長が「このチームは古い」と言い捨てた。まだ2戦を残している大会中に協会のトップが口にする言葉ではない。

 世界で活躍してくれれば万々歳だが、本気でサポートはしない。けれど、結果が出なければいち早く切り捨てる。こう取られても仕方がないのが現状の協会の姿勢ではないだろうか。