閉ざされるリオ五輪への扉。絶望的状況の中で何を生み出すのか。 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 特にここ4年は、なでしこジャパンの躍進によってアジア勢のレベルが確実に引き上げられた。その環境下で初めて行なわれた今回のオリンピック予選は、前回の予選で、はじき出されたオーストラリア、韓国、中国の成長が際立っている。これまでも、アジアを牽引する国は中国、北朝鮮、そして日本と変わってきている。

 なでしこジャパンだけでなく、アジア内でも女王の座を巡り、転換期がやってきている。その流れを感じながらも読み切れなかったのが日本ということだ。この敗戦で数字上は可能性が残っているとはいえ、対戦カードを考えれば、残り2試合に勝利したとしても出場権獲得は絶望的だ。けれど、まだベトナム戦、北朝鮮戦を残す日本。

「本当に長い間このチームでやってきて、やることを変えていないのに結果が出せない。自分たちは間違っているんじゃないかと思ってしまうこともあるんですけど、今までも自分たちや監督を信じてここまでやってきたのでそれをやめずに最後までやっていきたい」

 宮間は言葉をゆっくりと絞り出した。

「国を背負ってプレーしている自覚がない選手はいない。キャプテンとして自分が何を言われても自分の選手たちを最後まで守りたいと思っています」(宮間)

 残り2試合でなでしこに何が残るのか、何を残すのか――見届けたいと思う。

なでしこ 記事一覧>


4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る