なでしこリオ予選へ明るい兆し。中島依美が示す「5年目の開花」 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 最終選考の場であると同時に、中1日での戦いが続く予選を、勝ち抜くチーム作りをしなければならなかった沖縄での1週間。

「第1戦の結果はどうであれ、次にメンバーを代えても戦える準備はしていきたい」という佐々木則夫監督。比較的ターンオーバーしやすいベトナムとは唯一の中2日を取れる第4戦目にあたる。したがって、初戦のオーストラリアから、韓国、中国と続く3連戦が最大の試練となる。大会序盤で勝負を決めるためには、2チーム編成も十分に考えられる。

 昨年のカナダワールドカップでは選手を競わせ、あえてスタメンを固定しなかった佐々木監督だが、この合宿ではトップのペアやサイドバックなど、最小限の入れ替えはあったものの、ほぼ変更することなく、2チーム編成でトレーニングを敢行した。軽めのメニューとなった初日と最終日を除く5日間は紅白戦もしくは、地元の男子高校生、男子大学生とトレーニングマッチを組むなど実戦がメイン。トレーニング直前に映像を使ったミーティングを行なうなど、チームの共通意識を高める取り組みが随所に織り込まれていた。

 特に5日目は大学生を相手に、前線からの細かいプレスのかけ方に始まり、カウンターを仕掛けられたとき、サイド攻撃のケア、相手のパワープレーを防ぐ5バックなど、様々なシチュエーションを想定した守備的なメニューを主力組、サブ組それぞれ5本、計10本こなした後、さらに紅白戦というハードな内容だったが、ここでそれぞれのチームの戦い方の方向性が固まった。

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