天敵イラクを倒してリオ決定。植田直通が晴らした3年2カ月分の悔しさ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(兼アジアU-23選手権)の準決勝。勝てば3位以内が確定し、五輪出場が決まる試合である。

 因縁の相手、イラクとの対戦を翌日に控え、植田はこう話していた。

「いつも何かとイラクが僕たちの前に立ちはだかっているというのは、前から感じていた。ここで絶対に倒さなければいけないと思う」

 植田が言うように、彼ら"リオ世代(1993年以降生まれ)"において日本は、常にイラクに行く手を阻まれてきた。

 先に挙げたアジアU-19選手権をはじめ、2014年1月のアジアU-22選手権(0-1)、同年9月の仁川アジア大会(1-3)で対戦し、日本は全敗している。言わば、イラクは"天敵"だった。

 しかし、だからこそ、リオ五輪出場をかけて戦うには、最もふさわしい相手でもあった。植田は力強く言い切った。

「明日、僕が試合に出ることがあれば、今回はしっかり(イラクの攻撃を)抑えて、リオ五輪のキップを取れればいい」

 ずっと負け続けてきた天敵を倒してリオ五輪へ。すべての借りをまとめて返す、リベンジの舞台が用意された。

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