過去0勝3敗のイラクにリベンジを。準決勝は「総力戦」で勝つ (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 ただし、イラン戦のように相手の運動量が落ちるまで我慢するにしても、中盤でのボール保持率をもう少し高め、ゲームをコントロールしなければ、守り切るのは難しい。イラクの攻撃陣はイランより強力なうえ、完封したイラン戦でもGK櫛引のビッグセーブやバーとポストに何度も助けられており、先に失点してもおかしくなかったからだ。

 また、中盤でボールを回して揺さぶることができれば、相手のスタミナを奪うことにもつながっていく。イラン戦にボランチとして出場した原川力(川崎F)は、次戦に向けた改善点をこう指摘する。

「サイドチェンジを交えながら揺さぶることができれば、もっとスペースができた。チームとして、どこにスペースを作って攻撃していくかを共有できれば、もっと効率の良いサッカーができて、ゴール前まで運べると思います」

 準々決勝の2日後――つまり、イラク戦の2日前のトレーニングでは、遠藤が左足前の付け根に、亀川諒史(福岡)が左足ハムストリングの付け根に、豊川雄太(岡山)が腰に違和感を覚えて別メニューをこなしたが、いずれも症状は軽いとのことだ。

 右足付け根付近に炎症を起こしている鈴木武蔵(新潟)は、この日のトレーニングから全体練習に合流した。一方で、発熱のために準々決勝を欠場した井手口陽介(G大阪)は、回復状況にあるものの、この日もホテルで静養しており、イラク戦での出場は難しいだろう。

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