鬼門の準々決勝、イラン戦へ向け温存した「極秘セットプレー」 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 チームは北朝鮮戦の2日前、非公開でセットプレーを入念に試しており、北朝鮮戦前日に手倉森監督は「10個ぐらいやったので、楽しみにしていてください」と語っていたが、まさにその言葉どおり、北朝鮮戦ではそのパターンのひとつで決勝ゴールをもぎ取った。

 すでにグループステージ突破が決まっていたサウジアラビア戦では、「今まで見せたもののなかでやっただけ」と久保が明かしたように、"新しい形"は見せていない。

 左足の貴重なキッカーである山中亮輔(柏)は、「失点しないことを第一に考え、セットプレーなどで丁寧にチャンスを作っていけば、得点に近づくと思う。フリーキックは位置次第でトリックプレーもできるので、チャレンジしてみたい」と意欲を見せており、イラン戦では新たにどんなパターンが披露されるのかにも注目したい。

「攻守が切り替わった瞬間が勝負。あとは持久戦になれば、こちらに強みがある。勝ち急がない、攻め急がない、しっかりコントロールしながらゲームをできるかがポイントになる。イランは、よいときはものすごいパワーを出してくるが、悪いときはパワーダウンして、我々にやらせてくれる時間があるはず。そうしたよい時間に仕留められるかどうか」

 手倉森監督はそう言って、イラン迎撃に自信を見せた。グループステージ3連勝と波に乗る手倉森ジャパンが鬼門となる、ベスト8突破を狙う――。


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