鬼門の準々決勝、イラン戦へ向け温存した「極秘セットプレー」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 チームの立ち上げとなった2年前のU-23アジア選手権。グループステージ初戦で対戦し、先制されたが、原川力(川崎F)、浅野拓磨(広島)のゴールで一時は逆転。しかし、後半にひっくり返されると、手倉森監督は2枚替えの強気采配で矢島慎也(岡山)、松原健(新潟)を右サイドに送り込み、直後、中島翔哉(FC東京)がミドルシュートを叩き込んで引き分けに持ち込むという激闘を演じた。

 もっとも、手倉森ジャパンは21歳以下のチームだったが、イランは2歳年上のU-23代表チーム。当時のチームにいて、現チームにも選ばれているのは10番を背負うFWアルサラン・モタハリと、19番のMFエフサン・パフラバンのふたりしかいない。

 彼らはいずれも、中国とのグループステージ第3戦でゴールを奪った要警戒選手だ。だが、2年前のチームのほうが攻撃がダイナミックで、現チームはこじんまりとしているように見える。

 そうした要因のひとつと言えそうなのが、チームのエースで、昨年10月に行なわれたA代表同士の日本対イラン戦にも出場していたFWサルダル・アズムンが病気のため、今大会にエントリーされていないことだろう。また、ヨーロッパでプレーする別の2選手も、所属クラブの許可が下りなかったために参加していないという。

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