サッカー五輪予選3連勝の日本。
準々決勝へ「いい準備ができている」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(兼アジアU-23選手権)のグループリーグ第3戦。日本はサウジアラビアに2-1で勝利し、3連勝を果たした。第2戦終了時点で、すでにグループ1位が決まっていた日本だったが、最後も勝利で締めくくった。

五輪最終予選、日本はグループ首位で決勝トーナメント進出を決めた五輪最終予選、日本はグループ首位で決勝トーナメント進出を決めた 率直に言えば、それほどいい内容の試合ではなかった。しかし、だからこそ、日本の背中を押す追い風が、試合を重ねるごとに強くなっているかのように感じたのも確かだ。

 試合は序盤から、サウジがペースを握った。ショートパスを主体に攻撃を組み立てながらも、時折、日本のDFラインの背後を狙ったロングボールも交え、日本陣内に攻め入った。

 その一方で日本は、うまくパスが回らず、なかなかリズムがつかめない。この試合でゲームキャプテンを務めたMF大島僚太は「中盤の3枚と前の3枚との距離感が悪かった。ビルドアップのところで(パスをつなげず)蹴ってしまい、セカンドボールを拾い合うオープンな展開にしてしまった」と振り返り、「僕も含めて(攻撃が)うまくいっていないと思っていた」と認める。

 ところが、そんな苦しい時間帯に、日本は大島の強烈なミドルシュートで先制。タイ戦でのFW鈴木武蔵のゴールもそうだったが、滅多にお目にかかれないようなスーパーゴールが毎試合のように決まり、前半のうちに貴重な先制点を手に入れてしまうのだから、今大会の日本には不思議な力が働いているとさえ思えてくる。

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