サッカー五輪予選サウジ戦。「サブ組」が見せる中東対策と総合力 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 松原にとって、室屋はライバルである。だが、室屋は嬉しそうに明かす。

「(松原)健くんが練習中に、クロスの蹴り方のアドバイスをしてくれるんです」

 さらに、こうも言う。

「北朝鮮戦の前にも、『俺の分まで頑張ってくれ』と言われました。本当にいい人。今のチームは互いにリスペクトし合っているので、誰がベンチに回っても、誰ひとり文句は言わないんです」

 タイ戦のあとには、南野拓実(ザルツブルク)と菊島良介トレーナーの誕生会が開かれたが、ここで活躍したのが、石垣島合宿で最後の一席を勝ち取った最年少の三竿健斗(みさお・けんと/鹿島)だ。

 誕生会で三竿は、リズム系のネタやジワジワくるようなネタを披露。「(三竿は)やりたがりなので。おかげで盛り上がりました」とオナイウ阿道(千葉)が言えば、手倉森誠監督も「あいつは"そっちのほう"からこのチームに入り込んできた。僕は北朝鮮とサウジの試合を見ていたので立ち会えなかったけど、高いクオリティーのパフォーマンスを示したそうで」と微笑んだ。

 同じく最年少で、まだ出番のない井手口陽介(G大阪)も、先輩たちをイジったりして周囲に笑いを起こしている。「今日はあの人、イジって来いって言ってます」と明かした岩波拓也(神戸)は、「上下関係は必要ですけど、和気あいあいじゃないですが、リラックスすることも大事ですからね」と続けた。

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