サッカー五輪予選・タイ戦のカギは「DFラインを上げられるか否か」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 2戦目の対戦相手であるタイとは、2014年12月にアウェーで親善試合を行ない、豊川雄太(岡山)と鈴木武蔵(新潟)のゴールによって2-0と勝利している。

 だが、その試合で何度も決定機を作った浅野拓磨(広島)が「僕らも成長しているように、タイも違うチームになっていると思う」と語ったように、決して侮れない相手であることは、サウジアラビアとの初戦から見て取れる。このグループ最強と言われるサウジアラビア相手に劣勢を強いられながら、鋭い速攻を何度も仕掛け、1-1のドローを演じているのだ。

 中心選手は「タイのメッシ」との異名を持つ背番号18、チャナティプ・ソングラシンだ。A代表にも名を連ね、今回のチームではキャプテンを務めている。サウジアラビア戦では4-1-4-1のインサイドハーフに入り、スピードに乗ったドリブルとワンタッチ、ツータッチで繰り出すスピーディーなパスで速攻の起点となった。

 警戒すべきは、彼ばかりではない。1トップに入った22番のストライカー、チェンロップ・サニファディはボールへの執着心が強く、ディフェンス陣にとって嫌なスペースに飛び込んでくる厄介な存在だ。両サイドハーフのスピードに乗ったドリブルや飛び出しも脅威で、対面する左サイドバックの山中亮輔(柏)は「前線にはドリブルのうまい選手がいて、アジリティが高い印象です。1対1に負けないことを意識したい」と警戒心を強めている。

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