サッカー五輪予選・タイ戦のカギは「DFラインを上げられるか否か」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 ともに身長186センチの植田と岩波もまた、空中戦にはめっぽう強いから、「ディフェンスラインを下げても守り切れる」という絶対の自信があるのだろう。実際、北朝鮮の屈強なFW陣に競り勝つ彼らは、見ていて頼もしかった。

 しかしチームとしては、決して自陣に引いて守りを固めようとしたわけではない。むしろ全体をコンパクトに保ち、時間帯によってはボールを保持して北朝鮮を揺さぶる狙いがあったが、ラインがズルズルと下がったため、中盤には広大なスペースが生まれてしまった。それを北朝鮮にまんまと使われた。植田が改めて振り返る。

「中盤も苦しかったと思うので、次(タイ戦)は彼らを助けるためにも頑張ってラインを上げてコンパクトにして、セカンドボールをもっと拾えるようにしていきたいと思います」

 次の対戦相手であるタイは北朝鮮と違い、ロングボールを放り込んでくるわけではないが、小柄でスピードのある選手たちが裏のスペースを狙って飛び込んでくる。北朝鮮戦とは違う意味で、ディフェンスラインを上げにくい相手となる。だが、北朝鮮戦で生まれた課題――選手間の距離が遠く、ボールをつなぐことも、連動したプレスをかけることも難しかった――を解消するためにも、繊細かつ大胆なラインコントロールを期待したい。

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