正体不明の北朝鮮。サッカー五輪予選の日本は「したたかに勝つ」 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 チームとして目指しているのは、大勝ではなく、ボール支配率で相手を上回ることでもなく、1-0の手堅く、したたかな勝利。昨年12月のカタール・UAE遠征ではイエメン戦、ウズベキスタン戦と2試合続けてスコアレスドローだったため、「得点力不足」がクローズアップされたが、守備における安定感がさらに高まってきた点も見逃せない。粘り強さ、隙のなさは着実に身についてきた。

 最終予選を迎え、このチームで得点力の高いベスト3とも言える久保裕也(ヤングボーイズ)、南野、浅野拓磨(広島)の3人のアタッカーがようやく勢揃いした。1月6日に行なわれたシリアとの練習試合では、その南野の2ゴールの活躍で2-1と勝利した。ボランチを務める大島は「前の選手たちをどう生かすかはミーティングでも選手同士でも話しています。浅野のように速い選手もいるので、カウンターは武器となる」と、得点力不足解消にも自信をのぞかせている。

 北朝鮮との初戦では、相手の予想外の仕掛けに対してピッチの上で狼狽し、ボールを持たされてカウンターに沈むような醜態は晒(さら)さないはずだ。

 パワープレーや肉弾戦を辞さない相手に対し、あるいは、何を仕掛けてくるかわからない相手に対し、粘り強く戦いながら敵の出方を見定め、勝負どころでゴールをもぎ取る――。そんな、これまでの日本代表とはひと味違う戦い方を見せてくれるはずである。

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