正体不明の北朝鮮。サッカー五輪予選の日本は「したたかに勝つ」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 いずれのゲームにも出場した南野は、北朝鮮戦に向けた公式練習のあと、「覚えています。絶対に負けたくない、絶対に勝ちたいと思っています。今度はしっかり勝って(リオ五輪の)切符を掴みたいです」とリベンジを誓っている。

 もっとも、北朝鮮が正体不明のチームなら、日本も“いかにも日本らしい”代表チームとは、ひと味違ったチームである。

 手倉森誠監督率いるU-23日本代表は、2014年1月のチーム結成当初から「失点しない」という点を重視して、チーム作りが進められてきた。その背景にあるのは、U-19アジア選手権で4大会連続してベスト8で敗退し、世界大会への出場権を逃し続けている点だ。

 年々レベルが接近しているアジアにおいて、一発勝負のトーナメント戦を勝ち抜いていくためには、手倉森監督は「守備力と粘り強さが必要だ」と力説し、大島僚太(川崎F)や中島翔哉(FC東京)、矢島慎也(岡山)、原川力(京都)といったテクニカルな選手たちにも、高い守備意識を強く求めてきた。

 2014年夏のブラジル・ワールドカップで、A代表が「自分たちのサッカー」に固執して敗れた後には、その反語でもある「柔軟性と割り切り」をキーワードに掲げ、さらに手堅いチーム作りを進めてきた。

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