サッカー五輪代表・久保裕也「最終予選で3年前の借りを必ず返す」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「1次予選のあと、チームから離れていたじゃないですか。それでときどき、リキ(MF原川力/京都)とかにLINEを入れて、結果じゃなくて、チーム状態とか、選手の様子とか『どうなん?』って聞いていたんですよ。でも、何も返事が返ってこなくて……。だから、まずはチームが今どういう状況なのか、しっかり確認しないといけないし、その中で自分がプレーしやすい環境を作っていかなければいけないと思っています。U-19の最終予選のときは、自分がチームにうまくハマっていなかったし、結果も出なかったですからね。今回はそんなことがあってはいけないので、みんなと積極的にコミュニケーションをとっていきたい」

 久保は、もともと極度の人見知りで、周囲とコミュニケーションをとるのが苦手なタイプ。プレー中でさえ、自らの要求を周囲に叫んだり、味方を鼓舞したりということもなかった。そんな彼の口から「積極的にコミュニケーションをとる」という言葉が発せられた。そこに、海外での成長を改めて感じるとともに、最終予選にかける久保の本気度が伝わってきた。

「スイスに行って、クラブの監督に『コミュニケーションをとれ!』とずっと言われてきた。それで、(人見知りも)徐々に治ってきたのかな、と思います。海外だと、こちらから話をしないと、本当に独りぼっちになってしまうんですよ(笑)。やっぱり、チームメイトとコミュニケーションをとって仲良くしていけば、パスも出てくるようになるし、ミスをしたとしても『どんまい』ってポジティブな言葉をかけてくれる。それで、自分がすごくプレーしやすくなったんです」

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