タックルをかます。フロンターレ大島僚太が語る五輪予選への決意 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 来年1月に行なわれる最終予選は、慣れない気候、劣悪なピッチが待ち受ける中東・カタールでの一発勝負。この過酷な予選を勝ち抜くために、手倉森監督は「まずは失点しない」ことを重視し、高い守備意識と粘り強さをチームにしっかりと植え付けてきた。

 もちろん、だからといって、攻撃をないがしろにしてきたわけではない。少しずつではあるが、攻撃の形作りにも着手し、大島に対しても、こんな期待を口にしている。

「ボールを握ることについて、僚太にはものすごい自信と知識がある。攻撃のバリエーションを付けるうえで、自分の考えをチームに積極的に落とし込んでいってほしいと思っている」

 大島もその期待に応えようとしてきたが、川崎で披露しているように絶え間なくボールを出し入れし、相手を攻略していくパスワークは、受け手や周りのサポートなくして成り立たない。選手全員の意識を揃え、ボールを保持することへの絶対的な自信を手に入れるには、代表チームの活動機会はあまりにも少ない。

「守備はかなり良くなってきていると思います。でも、攻撃に関してはイメージにバラツキがあって、まだまだですね」

 大島がそんな胸の内を明かしたのは、10月の佐賀合宿でのことだった。

 その後も合宿、練習試合、親善試合が重ねられ、速攻の鋭さ、精度は増してきた。だが、ディフェンスラインからパスをつなぎ、ボールを保持することに対しての不安を残したまま最終予選の開幕が迫るなか、大島はきっぱりと言った。

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