U-22代表合宿スタート。リオ予選の秘密兵器、鎌田大地の「異能」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 田村翔/アフロスポーツ●写真

 当然、プレー判断において相手を上回ることができているし、度肝を抜くようなパスやシュートを平気で打ち込める。敵を畏服させるような技術を発揮できる。それは装備されたRetrovisorのおかげでもある。

 もっとも、性能は性能であって、取り扱い次第ということになる。今の彼がどこにいてもその性能を出せているかというと、話が違ってくる。

 例えば 天皇杯のサガン鳥栖対コンサドーレ札幌戦、鎌田は前半途中まで右ボランチ、その後は左インサイドハーフとしてプレー。トップ下のプレーヤーとしてFWと連係したときには効果的なプレーを見せる鎌田だが、下がった位置やサイドでは余裕を持ちすぎるのか、判断が鈍く何度も潰されていた。

 また、どこにいても一本のパスでゴールの軌道を描いてしまう。中盤やサイドでは一気に崩すよりもプレーを動かすのが優先で、テンポを作ることが仕事なのだ。 その点、札幌戦での鎌田は性能を生かし切れず、未成熟さをさらけ出していた。

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