シリア戦勝利でも目についた、ハリルジャパン「4つの欠陥」 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama photo by Getty Images Sports

3 サイドチェンジがない

 ボールが大きく散らないことも、サッカーの見映えが悪い原因だ。前戦、アフガニスタン戦では珍しくボールはよく散っていた。これまでとは異なる姿を見せた。シリア戦はどうなのか。注目点の一つだったが、すっかり元の姿に戻っていた。

 散らし役になるとすれば長谷部、山口だが、彼らからピッチの逆サイドに向けた対角線キックは、全く披露されなかった。ボールは相手のいないところではなく、相手のいるところばかりに送られていた。すなわち非効率的なサッカーに陥っていた。

4 幅の狭いサッカー

 もっとも、サイドチェンジを行ないたくても、受け手がいなければどうにもならない。4-2-3-1の3の両サイドが真ん中に入ってしまえば、送り手にそのつもりがあってもサイドチェンジは不可能になる。本田圭佑と原口元気。真ん中に入る傾向が圧倒的に高かったのは本田だ。その本田は試合後、こう述べたそうだ。「ハーフタイムに監督から、真ん中に入ってプレーしろと言われた」と。もしそれが本当だとすれば、それこそが「危機」だと思う。

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