メダルどころか五輪出場に黄信号。すべては手倉森監督の采配に

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by PHOTO KISHIMOTO

 来年1月に開催されるその第2回目は、リオ五輪アジア地区最終予選を兼ねてカタールで行なわれる。ホーム&アウェー戦だったこれまでとは異なる短期集中のセントラル方式だ。16チームを4つのグループに分け、その各組上位2チーム、計8チームでトーナメントを争う。

 決して強くないチームを、3位以内に滑り込ませるために不可欠になるのは、監督の手腕。焦点は、試合が単発で行なわれるホーム&アウェー戦とは違う、6試合の連戦を見越した戦いができるか、だ。できるだけ多くの選手を使いながら、チームとしての可能性を膨らませながら、準々決勝以降の戦いに臨めるか。

 しかし五輪チームは先の女子W杯を戦ったなでしこジャパンとは立場が違う。目先の試合にも100%に近い戦いを強いられそうなのだ。組分けの抽選が前回大会の実績に基づくなら、日本はグループリーグで第1シードにならないだろう。その立ち位置はとても微妙。采配にも微妙なさじ加減が求められる。しかも舞台は中東、カタールだ。手倉森誠監督で大丈夫か。心配になるのは僕だけではないはずだ。

 カタールで開催された短期集中のセントラル方式といえば、思い出すのは93年10月。ドーハの悲劇だ。監督として采配を振るったオランダ人監督オフトでさえ、期間中、半ばパニックに陥ったような姿を報道陣の前で見せている。経験不足。時の川淵三郎技術委員長は大会後、そう断じたものだ。

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