横山久美、杉田亜未が中国戦で見せた、なでしこ生き残りへのゴール (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 開始早々から日本は最終ラインからボールを動かしながら前線を伺うも、中国自慢の守備陣は無理に食いつくことはしない。日本のパスコースがぶれるようにジワジワとプレスをかけながら、甘いボールを一気に奪ってカウンターへの展開を狙っていた。実際、この日の日本も安易なパスミスが多く、奪われた直後にはそのほとんどで中国はカウンターのスイッチを入れていた。それが失点につながることはなかったが、日本も2トップが前を向いてボールを受ける形を作ることができなかった。44分に田中(美)がDFに囲まれながらもボールをコントロールしながらシュートまで持っていったがゴールには至らず。双方に決め手を欠く前半となった。

 後半、右膝がまだ本調子ではない髙瀬に代えて菅澤優衣香(ジェフ市原・千葉)を投入し、豊富な運動量であらゆるシーンに顔を出していた中島依美(INAC神戸)をボランチに、杉田を本職の左サイドハーフ、左右両方こなせる有町紗央里(ベガルタ仙台L)は右サイドハーフへ移動した。

 このポジションがハマり、より効果的な場面を作っていく。59分には菅澤が奪ったボールを田中(美)につなぎ、最後は京川がシュート。その直後には川村のヘディングシュートがGKの手を弾きポストを直撃。63分には、川村、菅澤とつないで中島がフィニッシュと、徐々にゴールに近づいていく。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る