横山久美、杉田亜未が中国戦で見せた、なでしこ生き残りへのゴール

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 初戦の北朝鮮戦、続く韓国戦に敗れ、後がない日本が地元・中国を2-0で下し、最後に意地を見せた。

 試合前日には「3連敗で帰る気か!」と、指揮官からゲキが飛んだ。「(敗戦を)感じているだけで学んでいない」「国を背負う重みをわかっているのかいないのか」――厳しい言葉が続く。国際舞台の経験値が低い若いチームは、時折自分を見失う。危機感も、焦燥感もない訳ではない。それでも結果が伴わなければ、悪循環に陥る。佐々木則夫監督流の刺激を存分に与えられてピッチに立った選手たち。引き分けでは屈辱の最下位が決定してしまう。勝利しか許されない試合が始まった。

中国戦で、試合を決める1点を入れた横山久美中国戦で、試合を決める1点を入れた横山久美 韓国に敗戦した直後にはベストメンバーで勝利を目指すとしていたが、チャレンジ色も折りまぜたスタメンは、佐々木監督が勝利を念頭に置きながらも、試行したい選手が明確に表されていた。右サイドバックには今大会の目玉となった京川舞(INAC神戸)。ボランチには川村優理(ベガルタ仙台L)と杉田亜未(伊賀FC)のコンビ、2トップには田中美南(日テレ・ベレーザ)と髙瀬愛実(INAC神戸)が並んだ。

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