韓国戦ドローも内容は最悪。ハリルホジッチが壊す日本の土台 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 対する日本が入れ替えたのは5人。「参加4チームの中で一番コンディションが悪い」(ハリルホジッチ)はずなのに、だ。結果にこだわっていたチームはどちらか。テスト色が薄いチームはどちらか。それが、日本であることは明白だった。

 そしてハリルホジッチはこう述べた。「リアリストになる必要があった」。「これまでより守備的に戦ったのか?」との問いに、そう答えたのだ。日本同様、欧州組不在の韓国をそこまで警戒し、あれほど引いて構えたのだ。

 情けない。相手が強ければ引く。この姿勢を現実主義者だと言って胸を張る監督に、番狂わせは期待できない。引いて守ってカウンター。このスタイルで番狂わせを起こせるほど、いまのサッカーは甘くできていない。

 しかも実際の韓国は、テストの実行中につき、ハリルホジッチが思っているほど強くない。だから余計に悲しくなる。日本のディフェンダーは強さを発揮したわけではない。目立ったのは彼らの健闘ではなく、相手の決定力不足。我々が胸を張るべきことではない。

 日本は2年前に行なわれたザックジャパン時代の東アジアカップにも、今回同様、国内組中心のメンバーで臨んだ。そして問題点の多い試合をした。しかし、ここまで酷くなかった。ザックジャパンが懐かしく思える。“あの”ザックジャパンが、である。アギーレジャパンに至ってはまばゆく見える。

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