3年半ぶりの代表復活。柏木陽介こそ「ポスト遠藤」の大本命 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 2007年にカナダで開かれたU-20W杯には背番号10を背負って出場し、チームのベスト16進出に大きく貢献。また、同年の北京五輪最終予選でも活躍するなどステップアップし、アルベルト・ザッケローニ監督時代には日本代表(A代表)に定着するかに思われた。実際、日本が優勝した2011年アジアカップに出場し、ブラジルW杯予選の初戦(アジア3次予選、1-0北朝鮮)では先発出場している。

 ところが、その後は一時、自身が調子を落としたこともあり、代表が次第に縁遠いものになっていく。思うようなプレイができず、表情も曇りがちなことが多くなり、ここ数年は国際舞台から遠ざかることになった。

 そんな柏木も、このところのJ1ではハツラツとしたプレイぶりを見せ、現在年間順位でJ1首位を走る浦和を引っ張っている。昨年後半あたりは、「これで(代表に)呼ばれないなら仕方がない」と話すほど、自らのパフォーマンスに手応えを感じていた。

 昨年までは2列目で起用されることが多かったポジションが、今年は一列下がり、ボランチに移ったことも、さらにプラスに働いた。当初は戸惑いもあったようだが、少し下がった位置からの攻撃の組み立ては、柏木が得意とするところであり、最近では「後ろでパスをつなぎながらも、ゴール前に出ていくタイミングがつかめるようになってきた」と話し、フィニッシュに絡むプレイも増やしている。

 ハリルホジッチ監督も、「後ろから攻撃を組み立てられれば面白い。クオリティを見せてほしい」と、柏木について語っているように、日本代表でも2列目ではなく、ボランチとしてのゲームメイクが期待されているのは間違いない。

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