原口元気「ロシアW杯では自分が日本代表の『主役』でありたい」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun

 サイドへの執着がある原口だが、イラク戦(4-0)ではトップ下を務めたからこそ、生まれたゴールがあった。後半39分、こぼれ球に反応し、ドリブルから放った一撃は強烈だった。

「確かにあれは、トップ下にいたからこそ、生まれたゴールです。真ん中にいると、いいこぼれ球が来たときには、すぐにゴールを狙える。サイドにいたら、ああいうゴールはないですから。あと、あのゴールに関しては、自分の『点が取りたい』という気持ちが出せた。途中から出た選手は、みんな点が取りたいと思ってメラメラと燃えていた。そのせいか、コンビネーションとかなくて難しかったけど、そういう中で結果を出せたのはよかった」

 このイラク戦での一発で、原口という存在が、ハリルホジッチ監督の中で確かな地位を築いたことは間違いない。続くW杯予選のシンガポール戦でも、原口は後半26分、0-0の場面でピッチに送り出された。その重苦しい状況を打開してくれる選手として、期待されたのだ。しかし、ボランチで投入された原口は思うようなプレイができず、その表情は鬼の形相となっていた。

「シンガポール戦は、怒っていたというか……う~ん、試合に出ることに意味はあるけど、正直サイドでプレイしたかったんです。あの時間で自分のよさを出しつつ、どうやったら自分がチームに貢献できるかを考えると、(自分が)やることははっきりしていましたから。相手はドン引きしていたし、真ん中に人が固まっていたんで、それならサイドから崩していくのが有効だと感じていて、自分なら、サイドから切り込んでいけるし、そういうプレイができると思っていた。でも、まさかのボランチで、どうしたらいいのか、考えてしまった。結局、何もできなかったんで、ドローに終わったあと、すごく悔しかったですね」

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