豊田陽平「ハリルさんほどの細かい指摘は初体験」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki YUTAKA/アフロスポーツ●写真

 豊田は率直な思いを打ち明けた。

「代表に関しては自分自身を見つめたとき、これまでのところ、“いい流れに乗っている”とは思っていません。でも、だからこそ反骨心を持って鳥栖でのプレイを続けられている、とポジティブに捉えています。自分としては、流れに乗れていようといまいと戦い続けるしかない。(8月に中国で開催される)東アジア選手権は国内組中心らしいので、チャンスと捉えていますよ。前回(2013年)の東アジアは気の置けない選手同士、犠牲心も競争もあって、いいチームだったので……」

 過去4シーズンの得点合計は国内トップで、誰よりもゴールという結果を残してきた。Jリーグ最高のストライカーとして君臨する自負はある。ファーストステージ2位の12得点は、チームが11位に低迷する中、ひときわ光彩を放つ。

「でも、チームが負けたらゴールはなんの意味もないんですよ」

 豊田は真剣な表情で言うが、その見解が彼らしい。

「ストライカーっぽくはないかもしれませんが、“絶対に自分がゴールする”という意識が僕にはありません。自分の目標、目的は、“勝利して勝ち点3を取ること”。そのために自分はゴールに近い場所にポジションを取って、最後の仕事をやり遂げるだけ。SNSで『ハットトリックしてください!』というメッセージを受けることがあります。応援はとても嬉しいんですが、ハットトリックしても4点取られて負けたらダメ。自分は勝つためにプレイします」

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