豊田陽平「ハリルさんほどの細かい指摘は初体験」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki YUTAKA/アフロスポーツ●写真

 そう前置きした上で、外から見たイメージも付け加えた。

「イラク戦は“前半の戦いが後半も続けられたら魅力的だろうな”とは思いました。でもあのイラクは、アジアカップで国家の名誉をかけて死に物狂いだったイラクとは様子が違いました。技術的に拙いだけではなく、気迫も感じられなかった。シンガポール戦は、アジアカップのUAE戦を思い出したというか。横から入るボールが少なく、つないで攻めても点が取れない。割り切って柔軟に攻めていたら、という意見はわかる気がします」

 三浦知良が「豊田待望論」を口にしたように、高さは選択肢になり得る。もっとも、豊田本人は代表に対してのアピールを続けるだけだ。

「自分ができる範囲でアピールはしていくつもりです。まずは守備。オカちゃん(岡崎慎司)もハードワークしますけど、それに準じた仕事をする自信はあります。ゾーンプレスはチーム全体での作業なんで、全員が連動できるかですけど。それにゴールにつながるフィニッシュのところ。横からのクロスボールはどの選手にも負けない自信があります。その形を代表で作れたら、とは、ザックさんのときからずっと思っているんですけど・・・。

 その意味では、次にハリルさんに呼ばれたら、ぜひ一度個別に話してみたいです。先日の候補合宿でも、練習後のストレッチで『なにか(自分のプレイを見て)アドバイスがあればください』と声をかけさせてもらったのですが、限られた時間の合宿だったので……。コミュニケーションの中、自分がどうやったら一番生きるのか、を伝えきりたいです。過去の代表監督の下でプレイしたとき、そのもどかしさをずっと抱えてきたので」

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