【なでしこW杯】打倒アメリカを目指して。求めるべきは成熟度 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 何とか立て直すために左サイドハーフの宮間をボランチに、ボランチに入っていた宇津木瑠美(モンペリエHSC)を左サイドバックに、左サイドバックの鮫島彩(INAC神戸)をハーフに上げて状況打開を図った佐々木則夫監督。

 少しずつ日本が動き始めた27分、右サイドからのボールを足元におさめた大儀見優季(ヴォルフスブルク)のゴールでようやく1点を返す。そして再び動いた佐々木監督。なんとロイドに対応できてなかった守備の要である岩清水を下げて、代わりにボランチの阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)をセンターバックに、空いたボランチに澤穂希(INAC神戸)を投入した。

「わかっていたけど、想像以上のスピードでやられた......」(岩清水)。ベンチに下がった岩清水は涙を止められなかった。前回大会決勝ではチームを救う決死のディフェンスで退場。だからこそ、今大会の決勝では最後までピッチでみんなと戦いたかった。今大会を振り返ってもそうした状況は当然のように思われたが、岩清水のワールドカップ決勝は計り知れない後悔とともにわずか33分で終焉を迎えることになった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る