コスタリカに完勝も、日本のリオ五輪出場が危ういワケ (4ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 一方、リオデジャネイロ五輪の最終予選では、圧倒的な強さでグループステージ(4チーム×4グループ)を勝ち抜こうと、大会全体を見渡してナンバーワンの実力を誇ろうと、8チームによる決勝ラウンドの初戦や、3位決定戦で敗れれば、その時点で五輪への道が閉ざされてしまう。一発勝負での勝負強さが、求められるのだ。

 また、これまでは毎月のように組まれる予選を戦いながら、チーム力を高めていくことができた。実際、北京五輪予選ではカタールに、ロンドン五輪予選ではシリアに敵地で敗れたが、崖っぷちに追い込まれたことで、チームはひと回り大きくなったものだ。そうした経験が、今回はできない。

 最終予選まであと半年。その期間の強化日程においても、不安が残る。

 現時点で予定されている活動は、10月末の九州合宿、12月上旬のカタール合宿、12月末の石垣島合宿の3回しかない。国内での短期合宿が追加される可能性はあるようだが、今回のコスタリカ戦を最後に、テストマッチが追加される予定はないという。

 そこには、チームとしての強化を図るより、「一番の強化は、まず選手が所属クラブで試合に出場すること」(サッカー協会・霜田正浩技術委員長)という強化指針がある。

 確かにコスタリカ戦では、所属クラブでレギュラーの座をつかんだ前田、喜田、矢島らがチームに上積みをもたらした。だが一方で、今回のU-22代表メンバーも挑んできたU-20W杯アジア予選では、日本はここ4大会続けてベスト8で敗退し、世界への切符を逃してきた。しかも、このU-22代表自体、昨年1月のU-22アジア選手権、昨年9月のアジア大会と、ともにベスト8で破れているという現実がある。結果だけを見れば、U-22日本代表の実力は、アジアで8位前後ということだ。

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