W杯予選ドロー発進。ハリル監督が見逃している日本の2つの問題点 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 最後の2本は、シュートが打ちやすい(相手が守りにくい)、マイナス気味のパスだった。

 攻撃ルートは、水泳のコースに例えると次のようになる。3コース(メッシ)→8コース(ジョルディ・アルバ)→7コース(ネイマール)→6コース(イニエスタ)→5コース(ラキティッチ)。

 この5本のパスに、特別高度なものはない。大きな対角線のパスで相手の守備陣を開かせておき、サイドから横崩しを図った展開の産物だが、今の本田はネイマールの真似ができる状態にない。最初からポジションが内側のコースを走っているからだ。宇佐美もしかり。これでは効率的なサッカーはできない。引いた相手に対し、有効な崩しはできない。

 ハリルホジッチには何より早く改善をお願いしたいのだが、問題は他にもまだある。これはそもそも論になるが、この試合にベストメンバーを送り込む必要があったのか。イラク戦の先発11人中、変わったのは長友佑都→太田宏介だけ。早くも「絶対に負けられない戦い」の中に巻き込まれている感じだ。

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