1年前はJ通算14試合2得点。武藤嘉紀、激動の365日 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 現時点で岡崎がマインツに残留するかどうかは決まってないが、残留すれば、最高のお手本を身近で見られるようになる。たとえ移籍したとしても、先輩ストライカーが成功したクラブというのは、心強いに違いない。

「将来、海外でプレーして、バルセロナやレアル・マドリードと戦って、結果を出せるような選手になりたいんです」

 その目標に向け、「マインツ移籍」というステップを踏む武藤のもうひとつの目標――。それが、ワールドカップに出場することだ。6月16日のシンガポール戦を皮切りに、日本にとってのワールドカップ予選がいよいよスタートする。

「ワールドカップに出るのは幼いときからの夢。それを自分の力で手繰り寄せたいという思いもあるし、これがワールドカップへのスタート地点。ここから全試合に選ばれたいと思っています」

 ワールドカップ予選には、国を背負う重圧、クラブでは経験できないアウェーの洗礼といった、武藤にとって未知の世界が広がっている。その前に、宇佐美貴史や原口元気といった同世代とのポジション争いも待っている。

 ワールドカップ予選で得た経験や課題をひとつひとつ身につけ、クリアしていったとき、ワールドカップのピッチに立つという、もうひとつの目標が実現するはずだ。そのとき、ネイマールとの差は、どれぐらい縮まっているだろうか。

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