【なでしこ】W杯2連覇へ。最大のカギは初戦スイス戦の入り方

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 カメルーン、エクアドルに関しては極端に情報が少ないが、要はそれまでに日本側の今大会用の戦い方が確立されているかどうかがカギとなる。

 そう考えると、やはり最大の山場はスイス戦だ。アルガルベカップではアメリカ相手に前半は互角の戦いを見せた。守備もしっかりと球際をツメる強さを持ち、攻撃への切り替えも速い。注意を払いたいのは、サイドチェンジを狙うロングボールでの展開だ。プレスがかかるとトップへボールが収まりにくい傾向はあるが、それは日本も同じ課題を持つ。どちらが先にバイタルエリアを攻略するかがポイントになりそうだ。

「初戦から100%で臨めればいいけど、そういうチーム作りは難しい。もちろん全力で臨みますが、大会を通じて成長していくチームになりたい」とは川澄。まだまだ手応えを掴むまでには至っていないが、宮間も「やるべきことを固めている。相手は立ち上がりに勢いがあるが、(日本の)連動で抑えられると思う」と調整は進んでいる。

 2強の様相を呈しているグループC。初戦を制することができれば、首位突破がグッと現実味を帯びてくる。皮算用ではあるが、決勝トーナメント以降の戦いを考えれば、対戦相手だけではなく、移動距離を含め、有利な条件で戦うことができる首位突破を狙うのはスイスも同じ。

 カナダ入りしてから改善が進んでいる“シュート力”を最大限に発揮し、勢いをつけたいところだ。今大会の行方を左右する初戦。日本だけが許された大会連覇への道は6月9日(日本時間)、決勝の地でもあるバンクーバーで幕を開ける。

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