【なでしこ】W杯2連覇へ。最大のカギは初戦スイス戦の入り方 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 もともと、佐々木監督のチーム作りは直前急ピッチ型。大会を通して成長を促していくのが佐々木流だ。その証拠に、今回もカナダ入りしてから練習が公開されたのはわずか1日のみ。簡単なウォーミングアップかダウンのみ公開と、徹底して外部の目をシャットアウトしてきた。

 それだけ選手たちの集中力も高まる訳で、遠く離れた場所にいる報道陣のところまで、活気ある掛け声が届いてくる。4日には、大会で使用される人工芝と同じタイプの練習場に入り、その感触を確かめた。パスサッカーを身上とする日本にとって、常に安定したピッチはありがたい。試合会場であるBCプレイススタジアムも、昨年のカナダ遠征のときから芝が張り替えられており、この練習場のピッチで初めて感触を味わうことができた。

「バウンドするとスピード感が変わる」(川澄奈穂美)、「ボールが転がりにくい」(岩清水梓)と、一様に日本の人工芝との違いを口にしたが、注意すれば問題はないと自信をのぞかせた。初戦(スイス戦)のメンバーを決める紅白戦などを重ね、メンバーの絞り込みは最終段階に入っている。

 日本が属するグループCは、スイス、カメルーン、エクアドルといずれもワールドカップ初出場組。それだけに情報は少ない。スイスは今年3月のアルガルベカップで別グループながら試合を行なっているため、日本は分析用の映像はもちろん、佐々木監督を始め首脳陣も偵察に出かけていた。

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