【なでしこ】W杯2連覇へ。最大のカギは初戦スイス戦の入り方 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 しかし、それらをすり合わせる時間を選手たちは、ほとんど与えられてこなかった。どれだけ伸びしろを広げてきたのか、スピードは、高さは、ボールコントロールの技術は......?

 互いの限界や成長を見極める時間はワールドカップ直前の合宿から本格的に始まったと言っていい。5月末に香川県で行なわれた合宿では守備を中心に、鉄板の4バックはもちろん、5バックも試した。また4バックでも、4-1-4-1や、宮間あや(湯郷)をトップにあげる4-4-2など、布陣のバリエーションに取り組んだ。

 W杯前の親善試合では、ニュージーランドを1-0(5月)、イタリアを1-0(5月28日)と辛勝に終わったが、選手たちにとっては数少ない実戦。この2試合で数限りないトライと調整を必死にこなしたとあって、選手たちの表情は硬くはなかった。

 他国と比べれば、正直遅すぎる調整であることは否めない。けれど、それが及ぼす影響は悪いものばかりではない。

「今、日本の映像は一番手に入りやすい」と佐々木監督も言うように、なでしこの親善試合の様子は簡単に手に入る。分析材料を提供しやすい環境で、チーム自体が固まっていないということは、ポジティブに考えれば、相手にも情報が入ることはない。その分、一気にチーム構成を進めなければならない。

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