ハリルホジッチは柴崎岳の適性をどう見ているのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 長田洋平/アフロスポーツ●写真

「メンデスには未来視の能力がある」とも言われるが、17歳のジエゴ・コスタ(現スペイン代表FW)をスタンドでたまたま目にしたとき、彼はほとんど直感的にオファーを出している。その試合、前半でラフプレイにより退場していたにもかかわらず、である。

「インテンシティの高いディフェンスに対して、不自由なくボールを操り、パスを出し、持ち運び、決定的なシュートに持ち込んでいた。この基礎能力さえあれば、あらゆるプレイに適応し、あとは居場所を与えれば、進化を遂げていける」
 
 メンデスはゴールゲッターとしての価値を確信したという。本当に優れた指導者や代理人、スカウトは、数字やデータなどには頼らない。彼らの視点はもっと複雑で、どこまでも単純である。

 では、ハリルホジッチはどのように選手を見ているのか?

 日本代表の未来を背負うと言われる柴崎岳(鹿島)は、ポジションの適性と適応の点で議論の余地があるMFだろう。遠いところまで見渡せるビジョンとパスセンスは世界トップレベルでも通用する。なにより、攻撃エリアに入ったときのプレイクオリティは刮目すべきで、得点もしくは得点につながるプレイの精度が著しく高い。

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