日本代表メンバー発表。永井謙佑、今野泰幸はなぜ外れたのか (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中西祐介/アフロスポーツ●写真

 また最近では、一流のセンターバックの資質に、高さだけでなくスピードも加えられつつある。日本人は身体的に背が大きくなると、ターン(反転)など細かいステップに難が出る場合が断然、多くなる。世界的なセンターバックのチアゴ・シウバ(ブラジル)、セルヒオ・ラモス(スペイン)、ボアテング(ドイツ)らは大きな体躯の持ち主だが、その動きは豹のように剽悍(ひょうかん)で俊敏である。

 現状、日本人センターバックの選考においては、高さ、強さ、速さ、うまさのうち、どれかを捨てざるを得ない。

 今野に関しては、ボランチに適性があったということか。彼は猟犬のような追い込みからボールを奪う技術に優れ、その間合いと素早さと連続性は瞠目(どうもく)に値する。所属するガンバでも、昨シーズンからはボランチとしてキーマンになっている。最終ラインの前で守備のフィルターになれる選手で、カバーできる領域も広い。センターバックを務めるときのように、動きすぎてゾーンを空け、入れ替わられる場面も少ない。

 しかし今野は今回落選しており、代表のボランチとして適応する必要があるのだろう。

 ハリルホジッチは今後、パズルの一つ一つのピースをはめ込んでいく。

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