日本代表メンバー発表。永井謙佑、今野泰幸はなぜ外れたのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中西祐介/アフロスポーツ●写真

 なにをもって、選手を評価するべきか? その意見は大きく分かれる。今回の永井の落選は、「前者の理由で一度は選んだが、後者の理由で今は成長を促す」と言ったところだろうか。

 左サイドバック一つとっても、長友佑都(インテル)への突き上げが求められる。ブラジルW杯でコンディションを崩したとき、彼の代わりとなれる選手を欠いていた。その戦力の薄さは解消する必要があるだろう。太田宏介(FC東京)の選出意図は、"競争力の拡充"に他ならない。

 太田は長友とはまったくプレイの性質が異なる。なにより左サイドの左利きであり、クロスの精度を持ち味とする。そのキックの質は、多くのJリーガーが畏敬するほどだ。先日のウズベキスタン戦でも、FW岡崎慎司(マインツ)に完璧なクロスを送りゴールをアシストしている。その一方、本来の職務である守備には不安を抱える。アタッカーとの間合いが悪く、簡単に侵入を許しがちで、ディフェンダーとしては感心できない。今のままでは列強のアタッカーには"蹂躙(じゅうりん)"される可能性は高い。

「昔、ポルトガルリーグにいた相馬(崇人、現在はヴィッセル神戸)もそうだったが、ディフェンダーとしての基本能力が低い。欧州リーグでは左足クロスを生かし、サイドバックより一つ前のポジションで試される選手だね」

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