今野泰幸が語るハリルJ。「ハマればかなり面白いチームになる」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun photo by AFLO SPORT

「前線の選手は『ボールを引き出す動きをしろ』とか、『裏に抜ける準備をしておけ』と言われます。中盤の選手は、ボールを取った瞬間、前に出すのを躊躇すると『前を見られただろ』と怒られる。とにかく縦を徹底している。ゲーム方式の練習でもタッチ数を制限しながら『縦を見ろ』『縦を意識しろ』と言われるけど、簡単にできるものじゃない。だから、紅白戦をすると両チームになかなかゴールが生まれないんです。縦にポンポン入れようとすると、パスがズレたり、うまく3人目を使えなかったり、ミスが生じたりするのですごく難しいですね」

 縦への意識付けは重要だが、試合は常に動いている。奪った後の自分の姿勢や状況で縦に出せない時もあるはずだ。また、相手がその縦パスを読んでいたり、相手の守備が整っている時、リスクを避けて横パスやバックパスでやり直すことも出てくるだろう。そういうプレーを選択した時、監督はどう反応するのか。

「練習をしている時ならパッと止めて、すごく怒りますね。チュニジア戦の時、僕のところにボールが来たんです。ちょっと戻りながら受けたので相手選手もついてきた。これで左サイドバックの藤春(廣輝)に出しても困るだろうなと思ったので、ターンして横パスを出したんです。その時はまったく分からなかったんですけど、家に帰ってビデオを見たらそこで監督がめっちゃくちゃ怒っていたんです。『なんで縦に出さないんだ!』という感じで。その時は勝っていたし、残り時間も少なかったので、そんなに怒られることじゃないと思っていたけど、監督が怒っているのを見ると、パスは前に出さないといけないとあらためて強く思いました」

 縦に入れられる状況であれば、常に縦パスを狙う。ここまで徹底しているのであれば、起用される選手のカラーも明白だ。縦に速いサッカーを完成させるために選手が求められているものは何なのか。

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