ハリルJの「ベスト11」。キーパーソンは武藤嘉紀と永井謙佑

  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

重要なパーツとなるのは、永井謙佑と武藤嘉紀
浅田真樹(フリーライター)

浅田真樹氏が選出した「ベスト11」浅田真樹氏が選出した「ベスト11」 まずは、ハリルホジッチ監督が就任して行なわれた3月の親善試合2試合(2-0チュニジア、5-1ウズベキスタン)について、簡単に振り返っておきたい。

 新たな船出に際し、指揮官が選手に意識づけしたのは、ボールを奪ったら「DFラインの背後」を最優先に、できるだけ速く縦にパスを入れて一気に攻め込む、ということ。結果として(これまでとの比較において)、勢い込んでゴールに迫る回数は増えたが、落ち着いてボールポゼッションする時間は短くなった。

 本田圭佑(ミラン/イタリア)、香川真司といった従来のメンバーがそろって先発した第2戦(ウズベキスタン戦)は、いくらかこれまでの戦い方(ポゼッションする時間が長い)に寄ってはいたが、基本的な戦い方は前記のようなものだったと思う。つまり、縦に速く攻めることで、相手ゴールに攻める回数は増えたが、強引にでも速く攻めようとする分、ミスで簡単にボールを失う回数も増え、カウンターの応酬のような展開が長く続くことになった。

 当然、ハリルホジッチ監督もそんなことは百も承知なはずで、ここまで極端なやり方を追求し続けるわけではない(ポゼション方向にも舵を切っていく)とは思うのだが、現状ではこの「極端に縦に速いサッカー」を前提にメンバーを選んでみた。

 カギとなるのは、ボランチと2列目の両サイド。

 ボランチにはダイレクトプレイの意識が高く、怖がらずに縦へ縦へとパスを出せる選手が必要だ。今回選ばれたメンバーの中では、青山敏弘だろう。愚直なまでに縦を狙う分、ミスもかなり目立ったが、一発でチャンスにつながる効果的なパスも多かった。

 また、年齢的な問題があるのかもしれないが、MF中村憲剛(川崎フロンターレ)は条件に合致するボランチとしてはJ屈指。試してみても面白い。

 そして2列目の両サイドだが、ここにはスピードが欠かせない。攻撃においてはもちろんだが、守備における左右のスライドやプレスバックが速くなり、相手の攻撃を封じる(つまり、ボールを奪いやすくなる)確率が格段に上がるからだ。

 その点で、永井謙佑は出色。武藤嘉紀とともに、目指すサッカーを実現するために重要なパーツになってくるのではないかと思う。

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